クラウド・ストレージのやめ方
クラウドストレージの解約は、契約を止めるだけでは終わりません。 無料プランの容量に収まっていないと、同期やバックアップが止まり、 サービスによっては最終的にデータが削除されることがあります。
これは「良し悪し」の比較ではありません
出口の条件がどう違うかを並べたものです。★は公式に記載された事実の合計で、 運営の評価ではありません。並び順は名前順に固定しています。
出口の条件をくらべる
| サービス | 解約難易度 | 解約後いつまで使える | データはどうなる | 課金の止まり方 | 再加入 |
|---|---|---|---|---|---|
| Dropbox 8/23 確認 | やや面倒 | 問題なし: 支払いサイクルの最終日までは、そのまま使える | 条件つき・要確認: 無料の2GBに戻る。超えているぶんは削除されることがある | 問題なし: 支払いサイクルの最終日で終わり、その後は請求されない | 条件つき・要確認: 有料プランには戻れる。ただし同じ無料トライアルは1年間使えない |
| Google One 8/21 確認 | やや面倒 | 問題なし: 請求期間が終わるまで、いまの容量のまま使える | 条件つき・要確認: 保存容量が15GBに戻る。超過しているとアップロードできず、Gmailの送受信にも影響する | 問題なし: 請求期間の終了後は請求されない。購入代金は払い戻しされない | 問題なし: いつでも再加入できる。Googleアカウント自体は解約の影響を受けない |
| iCloud+ 8/21 確認 | やや面倒 | 問題なし: 請求期間が終わるまでは、いまの容量のまま使える | 条件つき・要確認: 無料の5GBを超えていると、iCloudは同期もバックアップも行わなくなる | 問題なし: 請求期間の終了後は請求されない。プラン変更から14日以内なら返金の相談ができる | 問題なし: いつでも再加入できる。Apple Account 自体は解約の影響を受けない |
各項目の根拠(公式ページへのリンクと確認日)は、それぞれのサービスのページにあります。
このカテゴリで、とくに気をつけること
「解約したら消える」は正確ではない。止まるのは"これから先"
3つのサービスとも、解約した瞬間に保存済みのデータが消えるとは公式に書かれていません。
止まるのは、これから先の保存です。 新しく撮った写真がクラウドに上がらなくなり、端末のバックアップが作られなくなります。
危ないのはこの状態を放置することです。 同期が止まっていることに気付かないまま端末を失えば、 失うのはクラウドのデータではなく、端末の中身のほうです。
ただし、放置したときの結末はサービスによって違う
ここが横断で見て初めて分かるところです。
iCloud+ は、空き容量を作れば同期とバックアップが再開すると案内しています。 超過そのものに期限は示されていません。
Google One は違います。割り当て量を超過した状態が2年以上続くと、 アカウントに含まれるすべてのコンテンツが削除されることがあると明記されています (削除の対象になる場合は3か月以上前に連絡があるとされています)。
Dropbox はさらに短く、期限の形ですらありません。 「アカウントが引き続き容量を超えている場合、 アカウントをストレージ容量内に収めるため、 Dropbox はユーザーが所有しているファイルを削除することがあります」
「いつか整理しよう」で放置してよいかどうかが、はっきり違います。
| サービス | 無料に戻ったときの容量 | 超えたまま放置すると |
|---|---|---|
| iCloud+ | 5GB | 同期とバックアップが止まる。削除の期限は示されていない |
| Google One | 15GB(ドライブ・フォト・Gmail 共通) | 2年以上でアカウントのすべてのコンテンツが削除されることがある |
| Dropbox | 2GB | 期限は示されず「削除することがあります」。削除の30日後には復元できない |
期限が示されていないことは、安全という意味ではありません。Dropbox のように、いつ始まるか分からない形もあります。
何から消えるかまで書いている会社がある
Dropbox は、削除の順番まで公開しています。
「アカウントを制限内に収めるため、まず最も変更されていないファイルを削除します。 削除されるのは、お客様が所有するファイルのみです」
つまり、古くて触っていないものから消えます。 昔の写真や、しばらく開いていない資料が先に対象になります。 「大事なものほど後回し」にはなりません。
削除されたファイルは30日間だけ「削除されたファイル」に残り、 そのあとは復元できません。
パソコンに見えていても、手元にあるとは限らない
いちばん危ないのがここです。
クラウドのアプリは、容量を節約するために 中身のないアイコンだけをパソコンに置くことがあります。 Dropbox はこれを「オンライン限定のファイル(デスクトップ上のプレースホルダー)」 と呼んでいます。
公式は、こう書いています。
「オンライン限定のファイル…と、Dropbox モバイル アプリ内で オフライン使用のマークが付けられたファイルは削除される場合があり、 デバイスのファイル システムに自動的に保存されません」
画面にファイル名が並んでいるので、手元にあるように見えます。 クラウドから消えると、パソコンからも消えます。
残したいファイルは、中身まで落ちているかを確かめてください。
Google はメールも同じ容量を使う
Google ドライブ・Google フォト・Gmail は、同じ15GBを共有しています。
つまり、写真が多いというだけで Gmail の送受信に影響することがあります。 クラウドの解約が、メールが届かない問題として現れる形です。
Apple の iCloud も iCloud メールを含みますが、 公式が「メールの送受信に影響することがある」と明示しているのは Google のほうです。
解約の前に、容量を減らしてから
iCloud+ と Google One は、公式が「解約する前に」対応するよう案内しています。 Dropbox も、無料の容量を超えたままだとファイルが削除されることがあると明記しています。
無料プランの容量(iCloud は5GB、Google は15GB、Dropbox は2GB)に 収まるところまでダウンロードするか削除してから解約するのが、いちばん安全です。
なお、3つとも請求期間の終わりまでは今の容量のまま使えます。 早めに解約しても容量がすぐ減るわけではないので、 解約してから期間の終わりまでを整理の時間にあてられます。